平成十九年四月二十日、快晴。
友人と二人で、須崎市野見湾の背後で睥睨する法印山と八坂峰に登ってから、十五時十分に横波三里を東へ進み、十五時四十五分、横波スカイライン帷子崎展望所に着く(標高一三五㍍)。
詳 細 登 山 地 図 |
この展望所の東南のガードレールを跨いだ所にある登山口から「帷子崎」(かたびらさき、四等三角点・七七・一㍍)に行く。頂上は海に突き出た岬の突先手前にあり、標高差六〇㍍を下って行くが道中には予想外にアップダウンがある。
十五時五十五分、準備を整え出発。おじさんが「どこへ行くのか」と聞いてきたが、こんな処に山があるとは思わなかったらしい。道筋はしっかりしており、歩き易い。
道中は一面の自然林になっており、ツバキとヤマモモとが主体で、これに栗、松、クロガネモチ、ツツジ等が混じり、下草はウラジロ、スミレ、ツワブキ、ヒオウギ等である。潮風をまともに浴びるので耐塩性の草木でないと生き残れないので、植生はどうしても限定されるのである。一か所東に展望が開ける所があるほかは、ちらちらと樹間から見えるだけである。しかし潮騒は間断なくざわめいており、気にすると少し喧しく変な感じがする。
十六時二十二分、頂上着。二十七分を要した。付近は南北が道、東西三㍍の広場になっており、昭和五十年選点された三角点の石柱の周りには東西南北に四つの石が埋め込まれて、縁起でもないが一見墓標を思わせる。ここから南にさらに道が続いているが、いきなり急降下しているのが見える。
十六時四十一分に下山を開始して十七時十四分に駐車地着。三十三分を要した。
「帷子崎」は、潮騒とツバキやヤマモモが棲息する岬の山で、通常の登山とは趣きを異にしているところが面白い。靴さえしっかりしておれば、ちょっと散歩気分での逍遥が味わえる。
ここから高知市(の自宅)まで三四㌔の行程である。
(平成十九年六月記)