平成十四年七月二日。友人と二人。香我美町最奥地の熊王山(七一八・三㍍)を目指す。高知方面から岸本を北上するコース(ルート図参照)。
ところが、どう取り違えたのか、一つ北の道に紛れ込み、さらには秋葉山近くまで迷走、なんとか西川から奥西川へ行ったものの、今度は、登山口の鳥居を見逃し、大栃方面へ。下降するのは、おかしいと取って返し、舞川キャンプ場で聞くと、「あなた、それは行き過ぎだよ。山ではよくあること」と慰められ、またまた逆戻り。こうなると、さすがに甲羅を経た老骨もあせりましたよ。
ようやく、登山口に着いたのが、なんと午後二時。家を出て、五時間。
お粗末の一言だが、口惜しいのでいわせてもらうと (括弧は蔭の声)。
○道標が少ない (予算の関係もあり、あなただけの都合に合わせるわけにはいかないよ)
○同じような方向への枝分かれ道が多すぎる (嫌なら来るな)
○登山口に看板がない (カラスの勝手だろう)
ところで、肝心の熊王山ですが、これが、やさしく、しっとりと潤いをもって迎えてくれました。
七〇〇㍍超の山ですので、下界のうだるような暑さもありませんでした。
この山は植林が多く、ただ一か所、眺望が開ける場所がある。ここから見ると、近辺には相当の年数を経た赤松が多く、植林された木とは樹齢も違うので、自生と思われるが、これが、あちこちで枯死しているのが残念の極み。
頂上まで三十分。
山頂は、わかり難い。北の峰続き・七一四㍍のピーク(国土地理院の地図では、この山が熊王山になっている)か竈戸神社を頂上と思いこむ人もいるのではないかと思いました。
帰りは、高知へわずか一時間半でした。
(平成十六年二月)