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尾根筋逍遥の茶臼山

 平成二十年一月十日。晴天だが、霞がかかる。まるで小春日和のような陽気。

 土佐市宇佐町の北西でまるで茶臼のような恰好をした茶臼山(二三七・〇四㍍、四等三角点)に行く。この山へは、通常は宇佐町萩谷から一・一㌔の整備された山道を登るのであるが、私共は土佐市戸波の「波介山展望公園」からの尾根筋逍遥コースを採ってみた。




山 頂 近 く 、左 上 に 宇 佐 湾


波 介 山 展 望 所 付 近 か ら

詳 細 登 山 地 図






 この日、友人と二人で八時五十五分に高知市を出発。国道五六号線を西に進み、九時十七分に仁淀川大橋を渡り(一二・五㌔)、同三十三分、土佐市街の西端から南下して波介川を渡ると直ぐに左折して東に進む。しばらく行って(一七・七㌔)、「波介山展望公園」への観光道路である神母谷線に入る。同四十分に尾根道に来て、ここを左折して進んでいると、同四十四分に「大峠展望所」(標高二六〇㍍)着、駐車。ここまで二一・六㌔、四十九分を要した。



大 峠 展 望 所 ( 中 央 ) 、 上 方 に 土 佐 市 、
そ の 上 方 を 裂 く 仁 淀 川



 九時五十五分、展望所の南西に大きく口を開けた山道から進む。前方に中年の男女が手ぶらで背中を見せながら下り歩いてたのが見えた。展望所に車がないところを見ると、塚地峠から来て帰っているものらしい。私共も後を追うように進んだが、直ぐ三叉路があり、左折して東に進むと十時三分、再び三叉路に来る。ここに茶臼山保存会の道標があって真っ直ぐ行けば塚地峠へ四一二㍍、右折して南進すれば一一四一㍍で茶臼山に至るとある。これを進む。



展 望 所 か ら の 歩 道

三 叉 路



 このルートは、大峠展望所から茶臼山の標高差が殆どないうえに、幅員二㍍半のよく整備されたアップダウンの少ない尾根筋の山道が走っており、歩き易く気持のよい逍遥の感じである。このような道はあまり見たことがない。十時十一分に「茶臼山へ八一一㍍」と書いた道標がある。同十五分、右が檜植林、左が自然林で尾根筋の東側を通っている。ヤマモモ、クリ、カシ等が生い茂り、その落葉をカサカサと踏みながら快適な道を進む。遮るものはなにもない。





 同十七分、山桃、栗、樫等一面の自然林でドングリが散ばる広葉樹の落ち葉を踏みながら気分は爽快である。同二十一分、同二十八分、南東に刈り払われた広場に来る。宇佐方面が一望のうちに俯瞰され、港に入って来る漁船の航跡が見える。しかしやや霞んでいる。




 同四十分、前方に茶臼山のこんもりしたピークが見える。これを登り切ると、十時四十五分、山頂である。大峠展望所から五十分を要した。






 山頂入口に「南無石鎚秘蔵大権現」の彫り込みのある石塔(昭和七年建立)があり、三角点の直ぐ北には石鎚神社の祠がある。保護石のある三角点付近は東西六㍍位の広場になっているが、やや荒れているので清掃をする。東に山桃、檜の大木、樫、西には桜、山桃、檜、北には檜が三本あって展望は全く利かない。来た道は通り抜けるように宇佐町萩谷に通じているが、いきなりビニール製のロープがぶら下がった急坂になっているので降下を止める。

 十一時十九分、下山開始。これから往路を採り、二七〇㍍の無名のピークを目指す。同五十四分、左の尾根筋に入りウラジロが密集した頂上に着いたが、勿論なにも無い。

 十二時、本道に降りた所で昼食。出し抜けに、茶臼山方面から初老の小母さんが手ぶらでしかも一人で現れたので愕いた。宇佐から登り塚地峠に向うのだという。どうやら散歩がてらにこの快適な山道の歩きを楽しんでいるようである。わが庭を歩くがごとく、物慣れた顔付きからしてどうも機会ある毎にこの道を散策をしているらしいのである。これだけでも、この山道がいかに歩き易いか、快適なものであるかが判ろうと云うものである。

 十二時五十五分、ここを出発して塚地峠への三叉路に十三時七分、同二十五分に大峠着。昼食等の時間を除くと実質四十五分を要したことになる。




 この後、車で横瀬山(二九六・四八㍍、三等三角点)、高山展望所(戸波山、三〇七・三㍍、四等三角点)に立寄る。



右 か ら 烏 帽 子 山 、 柏 尾 山 、 三 滝 山 、 根 木 谷 山 、
下 は 春 野 町



高 山 展 望 所 ( 戸 波 山 )


横 瀬 山


高 山 展 望 所 ( 戸 波 山 )


ここらあたりには桜が沢山植えられている。春には花見客で賑わうことであろうが、駐車場の敷地が狭いので陣取り合戦が大変だろうと思われた。